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【読みもの】3月の選書  #5星影さやかに古内一絵

読みもの

【読みもの】
3月の選書 #5
星影さやかに
古内一絵


無職ライター5期生のほのかです。

最近は生活に追われ、本を開く時間がめっきり減っていました。そんな中、先日、気分転換に図書館を訪れたとき、ふと目に留まった一冊がありました。静かで美しい表紙に惹かれ、手に取ったのが 『星影さやかに』 です。

この物語は、戦中・戦後の宮城県古川市を舞台に、「非国民」と呼ばれるようになった父を持つ家族の姿を、次男、母、父、それぞれの視点から描いたオムニバス形式の作品です。

特に心に残ったのは、父親の姿でした。ある出来事をきっかけに「神経症」(今で言う鬱病)を患った父。治りたいのに治れない——その苦しみや焦りが、かつて休職していた自分自身の姿と重なりました。

社会や人への不信、家族への後ろめたさ、自分への情けなさ。次々と押し寄せる感情の波を乗り越えながら生き抜く父の姿に、生命の力強さを感じると同時に、そんな彼をそっと支える家族の優しさに胸が温かくなりました。

また、この作品には鮮やかな情景描写が散りばめられています。四季折々の日本の原風景が目に浮かび、本を読みながら、まるで遠くの土地を旅しているような感覚を味わいました。

変わりゆく時代の中で、変わらないものを見つめ直したい——。そんな思いが、ページを閉じたあとにそっと芽生えた一冊です。
ご興味が湧いた方はぜひ、読んでみてください。

主催

mada books

自分のやりたいことや好きなことに出会えていない

『まだ』の時間こそを楽しむ書店

【読みもの】3月の選書  #5星影さやかに古内一絵

読みもの

【読みもの】
3月の選書 #5
星影さやかに
古内一絵


無職ライター5期生のほのかです。

最近は生活に追われ、本を開く時間がめっきり減っていました。そんな中、先日、気分転換に図書館を訪れたとき、ふと目に留まった一冊がありました。静かで美しい表紙に惹かれ、手に取ったのが 『星影さやかに』 です。

この物語は、戦中・戦後の宮城県古川市を舞台に、「非国民」と呼ばれるようになった父を持つ家族の姿を、次男、母、父、それぞれの視点から描いたオムニバス形式の作品です。

特に心に残ったのは、父親の姿でした。ある出来事をきっかけに「神経症」(今で言う鬱病)を患った父。治りたいのに治れない——その苦しみや焦りが、かつて休職していた自分自身の姿と重なりました。

社会や人への不信、家族への後ろめたさ、自分への情けなさ。次々と押し寄せる感情の波を乗り越えながら生き抜く父の姿に、生命の力強さを感じると同時に、そんな彼をそっと支える家族の優しさに胸が温かくなりました。

また、この作品には鮮やかな情景描写が散りばめられています。四季折々の日本の原風景が目に浮かび、本を読みながら、まるで遠くの土地を旅しているような感覚を味わいました。

変わりゆく時代の中で、変わらないものを見つめ直したい——。そんな思いが、ページを閉じたあとにそっと芽生えた一冊です。
ご興味が湧いた方はぜひ、読んでみてください。

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